イソシアニドの特異的な反応性に着目したアミノ酸類の定序性ペプチド様ポリマーへの化学変換

覚知 亮平
(金沢大学 理工研究域 自然システム学系 特任助教)

2016年9月24日土曜日

Windows ? Linux ?

 日々の研究ではWindowsを使っています。Officeなどなど使う必要があるので、なんだかんだでWindowsが最適です。ところで先月、Windowsに大型アップデート(Windows10 Anniversary Update)がありました。本業である化学とは関係ないかな~と思っていましたが、今回のアップデートはなかなかの優れものです。若干毛色が違いますが、少し紹介したいと思います。
 
 科学系のソフトには、Unix向けのソフトが少なくありません。それに加えて、研究室でも役に立つサーバー系のソフト(例:samba)などは、Unixの独壇場です。こういったUnix系ソフトはWindowsに移植されるケースが多いですが、移植に時間が掛かったり、使い勝手が変わったりと使いこなすのに労力が割かれることもあります。なので、Windows上でUnix向けソフトを使おうとすると、Unix環境をWindows上に構築する(CYGWINなど)か、Windows上で仮想的にLinuxを動かす(Hyper-VやVMWare)かしないといけなかったのが現状です。あんまり現実的ではないですが、ひとつのPCに物理的にWindowsとLinuxを入れて、Dual boot(起動の度にOSを選択)するっていう手もあります。管理が大変なのであんまり現実的ではないですね。そんなこんなで、Windows上でOfficeを動かしながらUnix系ソフトを走らせられたらな~と思っていました。ちなみにですが、AppleのMacOS XはOSそのものがUnixベースなので、Unix系ソフトがそのまま(もしくはちょっとの改変)で使用可能です。研究者でMac使いが多いのもこの辺も関係しているのかな~と想像しています。

 この辺で本題です。Anniversary UpdateでWindowsが更に強化されました!!ついに、(Unix)コマンドをたたきながら、Officeを使える日が来ました(笑)詳しいインストール方法は、この辺を参考にしてもらえると、詳細な情報が得られると思います。Microsoftさんも渋いけど素晴らしい選択をしてくれています。なんとま~DebianベースのUbuntuがWinows上で(もしくは、Windows”と共に”)、動いています。Ubuntuなので、まさかのapt(Advanced Packaging Tool)がWindows上(?)で動きます。ちなみに、aptとはUnix系ソフトの管理ソフトウェアのことです。これのおかげで、インストールしたいオープンソースソフトをコマンド一発でインストール可能です。

sudo apt-get install "インストールしたいソフト"

これだけで、すぐにソフトウェアをインストール可能です。

今までUnixが必要だったソフトも試してみたい、と思わせる素晴らしいアップデートです。具体的なソフトをインストールしてみたら、こちらで少し紹介したいと思います。

2016年8月24日水曜日

やさしい科学技術セミナー

 標題のとおり、やさしい科学技術セミナー(題名:見て、触って、感じる高分子材料)を無事に開催しました!!非常に暑い一日でしたが、セミナーに参加してくれた高校生の皆様および引率の先生方、どうもありがとうございました。お陰様で満員御礼のセミナーとなり、私にとっても思い出深い一日となりました。

 高校生向けのセミナーということで、自分自身にとっても初めての経験となりました。化学の醍醐味は何といっても”実験”。そこで、実験を通じて化学を楽しんでもらうことを目標にセミナーを準備しました。早速セミナーの様子が財団のホームページにアップされましたので、少し解説したいと思います。(動画のURL:https://www.youtube.com/watch?v=LO6mMxouzoo&feature=youtu.be

 制限時間いっぱいいっぱい実験に時間を割きましたが、そうはいっても前提情報が無いと理解が深まらないので、最初の30分弱を座学としました。

続いて本セミナーの最初の”仕掛け”を投入しました。クリップです。

高分子の構造を直感的に理解すること、そして伝えることの難しさは以前から痛感していました。今回のセミナーに向けて少々勉強し、なんとか良い論文に巡り会いました。アメリカ化学会(American Chemical Society、通称ACS)が発行するJournal of Chemical Educationの論文(http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ed400551c)で照会されていたアイディアを採用してみました。高分子の構造を模式的にクリップで模倣するというコンセプトです。視覚的にもわかりやすい為、試してみることにしました。セミナーにある意味ぶっつけ本番で投入しましたが、想像以上に高校生に楽しんで貰えたようでホッと一安心です。
 若干話は横道にそれますが、ACSのジャーナル(雑誌)には、化学のトップジャーナルのひとつであるJournal of the American Chemical Society(http://pubs.acs.org/journal/jacsat)に始めまり、高分子化学の専門誌であるMacromolecules(http://pubs.acs.org/journal/mamobx)、有機化学の専門誌であるThe Journal of Organic Chemistry(http://pubs.acs.org/journal/joceah)などと並び、化学教育の専門誌もラインナップされています。最先端の化学研究と同様に化学教育の大切さを痛感すると共に、それを実現しているACSの懐の深さには感銘します。言い過ぎかもしれませんが、Journal of Chemical Educationの論文を通して、改めてアメリカの凄さを再認識させられました。

話が横道にそれましたが、話をセミナーに戻します。
 
 高分子の構造を理解してもらった後で、ついに実験に移りました。今回は折角の機会なので、2種類の高分子を作ってもらいました。一つはポリウレタン(写真参照)、そしてもう一つはナイロン(ポリアミド)です(動画参照)。




video

 これは予想通りに楽しんでもらえたようです。糸を自分で紡ぎ出す、というのは何度見ても楽しい実験ですね。そして何回やっても毎回楽しめる実験です。

 そして、セミナーの最後はすこし不思議な高分子材料の紹介です。今回はポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)です。水に溶かしたPNIPAMは人間の体温付近で面白い現象を示します(下の動画参照)。

video


 通常の物質は温度を上げることで、溶解性が向上します。砂糖や塩の溶け具合が悪い場合には、お湯を使うなり温めるなりするかと思います。一方で、このPNIPAMの水溶液は冷やすことで良く溶けるようになり、だいたい人間の体温以上に温めると急激に水に不溶になります。そこでセミナーではPNIPAMの水溶液を配布し、参加者のみなさんにこの水溶液を自分の手で温めてもらいました。自分の体温によって、この面白い現象を引き起こしてもらいました。

 今回のセミナーを通じて、一人でも多くの方に化学の魅力を伝えられれば、と思います。最後になりますが、セミナー開催をサポートして下さった財団関係者、高校側との連絡を担当して下さった石川化学教育研究会の諸先生方、そして当日の実験をサポートしてくれたTAの学生達と、周りの方々の厚いサポートにお世話になっている事を再認識しました。この場を借りて深く感謝いたします。

2016年4月24日日曜日

贈呈式ならびにJapanPrize受賞式

大変光栄なことに、日本国際科学技術財団の2016年研究助成に採択して頂きました。正直なところ、本研究助成に採択して頂けるとは思っていなかったので、嬉しさもひとしおです。日本国際科学技術財団の関係者ならび関係各位にこの場を借りて篤く御礼申し上げます。この機会を活かし、より高みを目指した研究を展開していきたいと思います。

今回の研究助成と併せて、色々な特典(??)がありました。研究助成の贈呈式に始まり、審査員の先生方を含めた懇談会、日本国際賞を受賞された細野先生を含めた学術懇談会の傍聴および懇親会、そしてJapanPrize受賞式への参列と、4月19日と20日は一生忘れることが出来ない素晴らしい日になりました。天皇皇后両陛下もご臨席されたJapanPrize受賞式には、夫婦共々大変に感動しました。日本国際科学技術財団の皆様には感謝しても感謝しきれません。また、細野先生を含めた学術懇談会の傍聴には感銘しました。日本の科学を牽引する先生方の後ろ姿を見て、日本の研究環境に必ずや今以上に明るいニュースが増えるだろうな、と思った次第です。そして、この助成研究を通じて、小さくても、少しでも明るい題材を増やせていければ、と決意しております。

この辺で最初のブログ記事は終わりにしたいと思いますが、研究内容に限らず様々な面から情報発信を行っていきたいと考えています。今後もよろしくお願いします。